『宇宙戦艦ヤマト遥かなる星イスカンダルコミックアンソロジー』DNA media comics special を振り返る

宇宙戦艦ヤマト遥かなるイスカンダルアンソロジーコミック画像 コミック

『宇宙戦艦ヤマト遥かなる星イスカンダルコミックアンソロジー』DNA media comics special は故西崎義展氏が銃砲刀剣類所持等取締法・火薬類取締法・覚醒剤取締法違反で現行犯逮捕及び自動小銃の密輸容疑で再逮捕された1999年にバンダイおよびバンダイビジュアルが制作したプレイステーション用ソフト『宇宙戦艦ヤマト 遙かなる星イスカンダル』にあわせて、今から20年以上前の2000年4月に発行されました。

宇宙戦艦ヤマトのイスカンダルまでの航海を全7話でコミカライズしています。表紙は増永計介先生イラスト、むらかわみちお先生デザインコンセプト、皆川ゆか先生デザインです。

各話を執筆したヤマト愛に溢れる先生方と各先生の簡単な紹介すると

むらかわみちお先生 (第1話 会戦)
「宇宙戦艦ヤマト2199」コミカライズを執筆。

むらかわみちお先生担当話画像
むらかわ先生が現在連載中の2199よりも松本先生に近いイメージですね

まがみばん先生 (第2話 号砲一発!ヤマト始動!!)
トランスフォーマーのコミカライズを執筆。

大貫健一先生 (第3話 反射衛星砲撃破せよ!!)
最近Blu-rayBoxが発売された2007年放送の「地球へ…」を制作したアニメーション制作会社「南町奉行所」(現在事業停止)の立ち上げに関わり、筆頭アニメーターとして数々のヒット作を担当。「宇宙戦艦ヤマト2199」ではキャラクター作画監督補佐を担当。

富士原昌幸先生 (第4話 決戦!!七色星団の攻防戦)
島本和彦先生のアシスタントを経て、漫画家デビュー。スーパーロボット大戦シリーズのアンソロジーコミックを執筆。

島本和彦先生 (第5話 神よガミラスのために泣け!!)
「炎の転校生」「逆境ナイン」「燃えよペン」「吼えろペン」「アオイホオノ」等ヒット作品を多数執筆。現在、地元の北海道で父親から事業を引き継いだ会社社長と漫画家を兼務。学生時代の大阪芸術大学ではエヴァンゲリオンの庵野秀明監督とクラスメート。

島本和彦先生担当話画像
島本先生は中高生!の時に描いたヤマトの漫画を松本先生に見せたことも

↓「宇宙戦艦ヤマト」で島本和彦先生が一番好きなエピソードはまさにこのガミラス本星でのエピソードであることが語られています。

きお誠児先生 (第6話 到達!愛の星イスカンダル)
成人向け作品を多数発表。また、宇宙戦艦ヤマト2199」ではデザイン協力を担当しています。

ときた洸一先生 (第7話 地球よーヤマトは帰ってきた)
コミックボンボンでは「機動武闘伝Gガンダム」「新機動戦記ガンダムW」ガンダムエースでは「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY」などガンダムシリーズのコミカライズを多数執筆。

また、各話の間には出口竜正先生、竹本泉先生、永野のりこ先生、故鈴木雅久先生、幡池裕行先生、増永計介先生ら、漫画家・イラストレーターの先生方のヤマトへの熱い思いがイラストと共に掲載されています。特に庵野秀明氏のエッセイは大変興味深いエッセイだと思います。

庵野秀明氏エッセイ画像
庵野秀明氏のエッセイとイラストページから

宇宙戦艦ヤマトは、
戦争で負けた国でしか生まれない作品だと思います。
宇宙戦艦ヤマトは、
戦争がこの国の中に現実として存在していた時代だからこそ作られた作品だと思います。
宇宙戦艦ヤマトは、
私達にはない、生き残ったという感覚を持っている人々にのみ作り得た作品だと思います。
宇宙戦艦ヤマトは、
たった一隻で敵地への本土決戦を挑み、結果、勝利するという夢を描き、その上で、勝てる戦争ならしても良いのか、という本質的矛盾を抱えた人達だからこそ作り得た作品だと思います。
宇宙戦艦ヤマトは、
鉄で造られた巨大建造物に対する畏怖、高度成長の恩恵と弊害、宇宙開発へのあこがれと失望、混沌とした世界に対する滅亡というひとつの答え等が表層を覆っていた作品だと思います。
宇宙戦艦ヤマトは、
当時の人々の第2次大戦、太平洋戦争に対する無念さ、口惜しさ、空しさ、悲しみ、怨念、そして願望等が塗り込まれた作品だと思います。
宇宙戦艦ヤマトは、
機械構造物、巨大戦艦、宇宙、SF、戦記物、男の船、松本キャラ等など、自分の琴線に触れるモノで溢れ、初めてアニメと呼称されて作品だと思います。


中2の秋、この作品との幸運な出会いが無ければ、今の私は存在していないと思います。
この作品に改めて感謝いたします。
ありがとうございました。
(庵野秀明氏エッセイより)

最後にAmazonでのレビューが高評価なのでいくつかご紹介します。
現在では絶版になって入手困難な一冊ですがAmazonでは定価より安値で購入可能なようなのでおすすめです。

Amazonレビュー画像1
Amazonレビュー画像2
Amazonレビュー画像3
Amazonレビュー画像4

↓松本零士先生のキャラクターに近いゲームのムービーパート。このタッチでリメイクをして欲しかったという意見も多いですね。

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