「うる星やつら」36年ぶりにテレビアニメ化
高橋留美子先生の人気作品「うる星やつら」が完全新作のテレビアニメが製作され、2022年10月放送開始のお知らせが発表されたのは今年の1月1日でした。
前回のテレビアニメの放送は1981年〜1986年ですから36年ぶりの新作となります。今回のアニメーション制作は「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズなどのdavid production、キャラクターデザインは「おそ松さん」「映像研には手を出すな!」などの浅野直之さんが担当しています。前述した各作品は漫画原作のイメージを損なうどころか、アニメ作品としても大成功している作品ばかりですので、今回の新作「うる星やつら」も素晴らしい作品になることでしょう。
そこで今回は新作「うる星やつら」放送開始の前に、前作の「うる星やつら」を簡単に振り返ってみましょう。
旧作アニメ「うる星やつら」放送開始は
高橋留美子先生の原作「うる星やつら」は昭和53(1978)年少年サンデーに初掲載され、昭和(55年)1980年より本格的に週刊連載されるようになると瞬く間に大人気となり、同時期に連載されていたあだち充先生の「タッチ」と共に少年サンデーの二本柱となりました。
前述のように、前回のテレビアニメの放送は昭和56(1981)年〜昭和61(1986)年ですから、少年サンデーでの連載開始から間も無くにテレビアニメ化されたこととなります。テレビアニメ放送は今回の新作放送局と同じフジテレビ系列ですが、深夜枠ではなく毎週水曜日7時30分からゴールデンの時間帯に放送され、原作ファン以外のファンの獲得にも繋がりました。(ちなみにフジテレビでは水曜日7時からは「Drスランプ・アラレちゃん」が放送されていました)
スタジオぴえろ
旧作「うる星やつら」のアニメ制作会社は全195回放送の106回目まではスタジオぴえろ(現在ぴえろ)が制作し、スタジオぴえろ社員であった押井守氏がチーフディレクターを担当していました。
元々スタジオぴえろは演出家グループの会社として発足しましたが、昭和54(1979)年NHKで放送された「ニルスのふしぎな旅」を製作するためにアニメ制作スタジオとなりました。そこへ演出スタッフの押井守氏がタツノコプロから移籍しスタジオぴえろの社員となったのです。
ちなみにスタジオぴえろは「うる星やつら」の成功後、「魔法の天使クリィミーマミ」で更に人気アニメ制作会社として知られるようになります。(そして、現在はNHKで放送されている「キングダム」等を製作しています)
スタジオぴえろの後はそれまで制作協力をしていたアニメ制作会社ディーンが制作を引き継ぐこととなります。ディーンは「うる星やつら」以降も高橋留美子作品の「めぞん一刻」「らんま1/2」を制作しました。
キャラクターデザインは
旧作「うる星やつら」のキャラクターデザインは高田明美さんでした。高田さんは多摩美術大学卒業後に入社したタツノコプロを退社し、丁度、フリーになった時期でした。「うる星やつら」以降、「クリィミーマミ」「きまぐれオレンジ☆ロード」等スタジオぴえろの多くの作品のキャラクターデザインを担当し、また、ディーン作品では「めぞん一刻」「機動警察パトレイバー」等のキャラクターデザインをしました。(高田明美さんのオフィシャルホームページはこちら→)。
Edition88では高田明美さんの描いた「きまぐれオレンジ☆ロード」や「クリィミーマミ」の版画やマグカップなどのグッズが販売されています。
監督は
旧作「うる星やつら」のチーフディレクターは「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」等の監督で有名な押井守氏が第106回まで担当し、第107回から最終回の第195回までを作画畑出身のやまざきかずお氏が担当しました。
押井氏は「うる星やつら」の映画版「うる星やつらオンリーユー」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を大ヒットに導くも、1984年「うる星やつら」を降板し、スタジオぴえろも退社したことによりチーフディレクターの変更となってしまったのでした。
主題歌は
オープニング曲は数度変更されたのですが、1番人気だったのは初代オープニング曲の「ラムのラブソング」でした。この曲は雑誌アニメージュ主催の「第4回アニメグランプリ」で音楽部門一位を獲得しました。
令和版「うる星やつら」は
2022年10月から2クール(全4クール)ノイタミナ枠で放送です。(ちなみにノイタミナと言うのはAnimationを反対からローマ字読みした noitaminA から由来したものです)
原作から選び抜かれたエピソードがアニメ化されるそうですので、どのエピソードが選ばれるか今から楽しみですね。
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