庵野秀明監督・脚本の「シン・仮面ライダー」が3月17日より絶賛公開中です。早速、観賞をした方々の感想が賛否両論ある中、庵野監督の旧作「仮面ライダー」へのリスペクト愛の溢れた作品であることには間違いありません。
↑「シン・仮面ライダー」公式サイトのコメントより
そして、庵野監督に負けず劣らない旧作「仮面ライダー」愛を抱く熱い人物がいます。その人物こそ漫画家の島本和彦先生です。しかし、きっと「シン・仮面ライダー」最速公開日に鑑賞したであろう島本先生のコメントは4月になっても未だ発信されていません。
島本和彦先生については庵野監督と大阪芸術大学にて同級生であり、学生時代、島本先生が一方的に庵野氏をライバル視していたことは有名な話です。
また、2016年の「シン・ゴジラ」公開当日の鑑賞後、Twitterにて敗北宣言をし、コミケにて「アンノ対ホノオ。」という同人誌も発表し、庵野氏と島本先生の関係が再び話題となりました。
今回も「シン・ゴジラ」の公開時のような敗北宣言をするのか、それとも島本先生の熱いコメントで応酬するのかを多くのファンが期待しているでしょう。
そこでこの記事では、島本先生が現在「ゲッサン」(小学館)にて好評連載中の「アオイホノオ」の連載初期、今から10年以上前(2010年)に掲載された第19章で描かれた「他人が作る仮面ライダー」についてのエピソードを振り返るとともに「シン・仮面ライダー」と島本先生の動向を探りたいと思います。
「アオイホノオ」では島本先生が通学した大阪芸術大学を基にした「大作家芸術大学」が舞台となりますが、第19章では主人公ホノオが通学する大作家芸術大学10号館のシアターでホノオの上級生が製作した「RIDER S55」が上映されているシーンがあり、ホノオは先輩のトンコさんにいかに「仮面ライダー」を自主製作することが困難であるかを説明します。
ホノオは「ライダーのフィルムを撮ろうとする」には色々とハードルがあるため、どれだけのモノを準備出来るかでフィルムの完成のデキが変わってくるのですと、トンコさんに語ります。
ホノオがトンコさんに語るゴージャス度が上昇するためのハードルをよく見てみると、今回の庵野監督「シン・仮面ライダー」が全てのハードルをクリアし、最高級の仮面ライダーのフィルムを製作していることがよくわかります。
今でも学生時代の熱い想いを持ち続ける島本先生が今回「シン・仮面ライダー」を鑑賞後にゴージャス度MAXになっている「シン・仮面ライダー」に以前の「シン・ゴジラ」の鑑賞後よりも打ちのめされたことは容易に想像が出来ます。
(ちなみに、島本先生は大学生になってから東宝特撮ファンになったこともあり「シン・ゴジラ」の敗北感は実際はそれ程大きくは無かったかもしれません)
また、実は2年程前の2021年に島本先生は既に「シン・仮面ライダー」に打ちのめされてしまったエピソードもあります。それは2021年4月3日の仮面ライダー50周年の日の出来事です。
「仮面ライダー」は1971年4月3日から1973年2月10日まで毎週土曜日に全98話が放送されましたが、初回放送から開始50周年を迎えた2021年4月3日に東映から「仮面ライダー50周年のお祝いツイート」を依頼されていた島本先生はTwitterにお祝いのイラストを発表しました。
しかし、なんと!島本先生がイラストをTwiiterにイラストをアップした数時間後、同日の4月3日夜7時30分(当時のテレビ放送開始時間)に丸の内TOEIで東映から庵野秀明監督による「シン・仮面ライダー」の製作発表会見がされたのです!!これには島本先生も大ショックだったことでしょう。
島本先生は全く「シン・仮面ライダー」の存在を知らずに、「ただ、仮面ライダー50周年なのでお祝いのツイートお願いします」と言う知らせだけを受けて、お祝いのイラストをTwitterに発表したそうです。
当時のツイートでは『知らなかったよ……なんというか……はめられた訳じゃないけども……なんだこのすごい「はめられた感」は』と島本先生はコメントしています。(このエピソードの詳細は記事togetherをご覧下さい)
このように「シン・仮面ライダー」によってライダーキック並の衝撃を受けた島本先生。しかし、島本先生のファンは知っています。島本先生はこんな逆境には絶対に負けないということを。きっと今頃、夏のコミケ向け『「アンノ対ホノオ。」シン・仮面ライダー本』を執筆していることでしょう。
(シン・ゴジラ本をコミケで発表した際には以下のようなインタビューも!なんだかんだでお友達思いの島本先生です!)
──『シン・ゴジラ』本が大盛況でしたが、どういうお気持ちからつくることにされたんでしょうか? 盟友・庵野監督を賞賛したいという気持ちでしょうか? あるいは、ライバルとしての悔しさの方が大きかったのでしょうか?
島本和彦先生 友達が良いものをつくったら、応援することによって、特撮映画界とか、全体のプラスになるんじゃないかな、という気持ちで動いたのが本音です。
↓「仮面ライダー」自主制作について語られる「アオイホノオ」第4巻
↓主人公ホノオを怪演する柳楽優弥氏主演のドラマ「アオイホノオ」は大傑作です!
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