昨年12月16日より無事に連載が再開された、むらかわみちお先生のコミカライズ「宇宙戦艦ヤマト2199」。最新刊の第9巻も発売され、1月31日には連載再開2回目の第54話も公開されました。
そこで今回は当時のむらかわ先生のブログの記事から約7年前に発売された第8巻の発刊時について振り返ってみたいと思います。
第8巻は2016年3月24日頃に発売されました。当時の様子について書かれたむらかわ先生のブログ記事はこちら→「8巻が出ます」(2016年3月20日)
記事では先ず「コミックZIN」と「丸善・お茶の水店」での書店特典について書かれています。コミックZINでは桐生美影のポストカード。丸善・お茶の水店では伊東のポストカードと森雪のペーパーが同梱されるということが告知されていました。
ちなみに丸善・お茶の水店では今回の最新刊第9巻発売に伴い、重版された既刊に刊行当時の特典が同梱されていました!
そして、なんと、3巻には当時付いていなかった森雪のペーパーまでが今回の重版分には同梱されています!
第8巻特典の告知に続き、ブログではむらかわ先生の当時の厳しい執筆状況についてが書かれています。角川の3月決算に間に合うように第8巻を出版することを大前提に執筆を強制され、睡眠時間を削り、朦朧とした状態で執筆していたそうです。
編集部へ発売の4月への延期を懇願したが、聞き届けられず、編集部から提案を受けたのは物語最終部分16頁分のカットだったそうです。16頁というのは印刷工程における1折と言われる技術的なパッケージ量なのだそうです。16頁分をまるまるカットとなると、カットする位置がまずくなり、ストーリーや演出が成立しない状態になってしまうため、8巻のネームを検証した結果、演出的に可能であるところで第8巻の最終頁にしたそうです。
本来はヤマト内部での反乱編の顛末まですべて完結できるように物語、ネームは完成していたそうです。
当時、収録予定だったネームのパートは9巻でしっかりと収録されていました。
ブログ記事の最後にむらかわ先生は
『残念ではある。でも、そもそもが3月に刊行という急なピッチを求められたがゆえに十分に盛り込めなかった演出や描写を再度盛り込めたものに仕立て直せるので、カットになったとはいえ、より良いものに仕上げられるという機会を与えられたようにも考えている。
その意味では、16頁カットの提案は、必ずしもマイナスではなくプラスに働くきっかけを作ってくれたのだ。漫画家は自分の作品に呑まれているからこそ、踏み込めない判断もある。その検討の機会を作ってくれたという意味で、編集にはお礼を述べた。
なので、8巻は「引き」で9巻へ続く。それでも楽しんで読んでもらえるものにはなっていると思う。手にとっていただけたら嬉しい。
9巻はバラン星突破までを描く予定。もうプロットに入っている。』
と述べています。
このような事情があってからの、約7年ぶりの今回の新刊第9巻の発売は本当に感慨深くそして大変嬉しい出来事ですよね。これからも引き続き、むらかわ先生を応援しましょう!
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