先日、アニソン界の帝王、アニキと呼ばれ世界中の多くのファンに愛された水木一郎氏がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。
水木氏は生涯現役をモットーとし、病魔に侵されながらもお亡くなりになる前月までステージに上がっていたという生き様には多くのファンが心を打たれ、早過ぎる別れに涙しています。
水木氏は最も有名なマジンガーZのOP曲の他にも数え切れない程のたくさんの名曲を残しましたが、多くの往年のアニメファンの心に残っている曲がテレビアニメ版「宇宙海賊キャプテンハーロック」のOP曲でしょう。
テレビアニメ版「宇宙海賊キャプテンハーロック」のOPはマジンガーZやコン・バトラーVのような水木氏から元気をもらえるようなアップテンポの曲ではなく、男の生き様と優しさが表現された曲です。きっと50代以上のオヤジアニメファンはカラオケで歌ってしまう1曲でしょう。
テレビアニメ版「宇宙海賊キャプテンハーロック」はりんたろう監督、東映動画制作で昭和53年(1978年)3月から約1年程、全42話でテレビ朝日系列で放送されました。(「機動戦士ガンダム」のテレビ初回放送のちょうど一年程前ですね)
松本零士先生の原作「宇宙海賊キャプテンハーロック」が前年の昭和52年(1977年)に「プレイコミック」(秋田書店)で連載を開始したばかりの頃にテレビアニメ版も制作されたことになります。
テレビアニメ版には原作には登場しないハーロックの親友であるトチローの娘「まゆ」が設定され、ハーロックは親友の娘を守るために敵マゾーンと戦うということが物語の骨子となり、原作とは大きく設定が変更されています。
このことについては原作者である松本零士先生とりんたろう監督らアニメスタッフ側とで激論がされたそうですが、結局は松本零士先生がアニメスタッフ側の熱意に設定変更を承認し、アニメ版独自の設定での制作がされるようになりました。
松本先生の漫画原作が未完である一方、テレビアニメ版はマゾーンとの戦いも完結し、全体的に各キャラクターの深掘りもあり、物語として大変完成度の高いものとなっています。
ちなみに、翌年りんたろう監督は同じく松本零士先生原作の1979年公開「銀河鉄道999」を監督することになりますが、このことは本作の第1話(作画監督は小松原一男氏)の試写会で感動の涙を流した当時の東映動画、今田智憲社長の指名によるものと言われています。劇場版「銀河鉄道999」も松本零士先生の原作とりんたろう監督の演出も相まって大ヒットし、名作として今でも語り継がれています。
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