ルパン三世 カリオストロの城 大事典

アニメ雑誌

はじめに

先日、Filmarksより9月に「ルパン三世 カリオストロの城」の特別上映の開催決定のお知らせが発表されました。なんでも、クラリスとカリオストロ伯爵の結婚式が9月13日に執り行われたこと(「この〜ロリコン伯爵、火傷すっぞ〜」の名セリフのシーンですね)を記念して9月9日から2週間上映されるそうです。

昨年は10月にルパン三世のアニメ化50周年を記念して全国50館で4K版が上映されましたが、今回はイオンシネマを中心に全国88館で上映ですから、昨年よりも足を運びやすいですね。

この「ルパン三世カリオストロの城」の製作時にアニメージュの副編集であった鈴木敏夫氏は宮崎駿氏に出会い、後に「風の谷のナウシカ」をアニメージュ誌上にて発表し、以後、アニメージュと宮崎駿氏は蜜月の関係となっていくのですが、一方で「機動戦士ガンダム」の富野喜幸氏(当時呼称)および日本サンライズ(当時呼称)と蜜月の関係にあったアニメックもアニメージュ同様、未来少年コナンなどの宮崎駿作品にも以前より注目をしており、未来コナン特集や赤毛のアン特集などを組んだりしていました。そこで、今回はアニメックを発行していたラポートより発行された「ルパン三世カリオストロの城 大事典」を紹介します。

公開当時の1979年11月号の表紙は昨年より現在全国各地で開催されているアニメージュとジブリ展のグッズ(クリアファイル等)のデザインにも使用されました。

時代背景

「ルパン三世カリオストロの城 大事典」は昭和57(1982)年8月1日にラポートより発行されているのですが、カリオストロの城は昭和54(1979)年12月に上映されていますので、上映から2年を過ぎての発行となっています。

と言うのも、昭和57(1979)年は機動戦士ガンダムのテレビ放送が開始された年であり、カリオストロの城の公開された12月はガンダムではソロモン攻略戦がテレビで放送された頃で、まさにドラマはクライマックスを丁度迎え始めた時期でした。当時のアニメ各誌もガンダムの特集が増え、特にガンダムを世に出したと言われるアニメックはガンダムの特集に全集中していた頃だったのです。

映画としての「ルパン三世 カリオストロの城」の配給収入は前作の「ルパン三世VS複製人間」の配給収入に遠く及ばず(ちなみに同年夏に公開された劇場版「銀河鉄道999」は大ヒットし、同年の邦画配給収入1位で「カリオストロの城の」の配給実績の5倍以上の収入でした)、宮崎駿氏の映画初監督作品は営業的には大赤字となってしまい、以後しばらくの間、宮崎氏は映画監督としての仕事の声がかからなくなってしまいます。

上記のような79年〜82年頃の松本零士ブーム、ガンダムブーム、が少し落ち着いた頃に満を持してアニメックの編集部による「ルパン三世カリオストロの城 大事典」が発行されたのです。

内容

内容は書名に大事典とあるようにメインキャラクター等の説明やカリオストロ全体図、カリオストロ公国概略が事典様式で記述されているのですが、アニメックの編集部によるムックであることより、マニア心をくすぐる文体で書かれていると共に、当時、美少女マンガキャラを描かせたら右に出るものはいなかった故吾妻ひでお氏によるカリオストロの城キャラクター折り込みピンナップ(カリオストロ伯爵の顔がまさにロリコン伯爵!笑)が付いていたり、出渕祐氏によるルパン三世キャラクター達の書き下ろしの扉絵などもありマニア向けのサービスが満載でした。

中でも一番のサービス企画は付録のソノシート「クラリスからの手紙」でした。カリオストロの城劇中の出来事があってから後にクラリスからルパンへを送った手紙という内容でクラリス役の声優、島本須美さんがオリジナルで吹き込んだものだったのでした。

ソノシートなんて知らない人が多いんでしょうね

我が家にはレコードプレーヤーが無い今、ソノシートを再び聴くことは残念ながら無理と思っていたのですが、何と!YouTubeでアップされていました!ありがとうございます!(それにしても懐かしすぎる!!)

復刊ドットコム

ちなみに復刊ドットコムを覗いてみると、復刊ドットコムにはだいぶ昔に登録されているようですが、残念ながら現在の投票数は77票でした。残念。

アニメムック付録付)ルパン三世 カリオストロの城大事典 ラポートデラックス5

さいごに

この「ルパン三世カリオストロの城 大事典」を発行したラポート社は残念ながら2003年に倒産してしまい、他作品の大事典シリーズも含め、今ではとても懐かしい冊子となってしまいました。また、編集長であった小牧氏も最近お亡くなりになってしまいました。しかし、40年経った今でも私達の心に残る一冊はの輝きはいつまでも失われないと確信しています。当時の編集部の方々、本当にありがとうございました。

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