祝「ベルサイユのばら」新作劇場アニメ製作決定!そして、旧作を振り返る 

LadyOscar表紙 おっさんホイホイ

連載から50年、新作劇場アニメ製作決定!

「ベルサイユのばら」連載から50年の節目の今年、完全新作で劇場版アニメ製作決定のニュースが発表されました。公開日等の詳細についてはまだ未発表なので、これからの続報が楽しみですね。

そこで今回は昭和54(1979)年から日本テレビ系列で1年間放送された「ベルサイユのばら」を振り返りたいと思います。

旧作「ベルサイユのばら」

アニメ「ベルサイユのばら」は昭和54(1979)年10月10日から昭和55(1980)年9月3日まで毎週水曜日夜7時から日本テレビ系列で全40話で放送されました。

昭和47(1972)年から週刊マーガレットで連載され大ヒットした池田理代子先生の原作とはキャラクター設定等に違いが若干あるもののアニメ「ベルサイユのばら」も大変好評でした。

アニメック9号表紙
当時、ガンダム一押し(しかも最終回間近!)のアニメックでも表紙になりました

アニメーション製作会社

今回の劇場版新作アニメ製作決定のニュースを発表した2022年9月7日現在、新作のアニメーション製作会社は発表されていませんが、旧作は1970年代に「巨人の星」「アタックNo.1」「エースをねらえ」を製作した東京ムービー(現トムス・エンタテイメント)が製作し、今でも東京ムービーの代表的な作品となっています。

旧作のキャラクターデザインは「キューティーハニー」「魔女っ子メグちゃん」「惑星ロボダンガードA」等の美形キャラクターデザインで有名な故荒木伸吾氏と荒木氏の片腕である姫野美智氏が担当し、オスカル、アントワネット、アンドレなどの人気キャラクターを原作の華麗な雰囲気を壊さずに見事にデザインしました。

ベルサイユのばら設定資料集
当時の設定資料集より

荒木氏、姫野氏は作画監督としても活躍し、「ベルサイユのばら」全話を通して非常に高いクリティの作画の作品となっています。

復刊ドットコムより刊行された「ベルサイユのばらアニメーション・アルバム」は東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)に大量に保存されていたアニメ制作当時、実際に使用された、背景付きセル画、35mm本編フィルム、美術ボードの中から厳選された貴重な素材を使用し、DVDやブルーレイなどの映像からのキャプチャーはいっさい使用せず、カラフルで美麗なアルバムに編集されたものです。アニメ版ベルばらファンの未読の方は是非とも一読して頂きたい刊行物です。

復刊ドットコム ベルサイユのばら -アニメーション・アルバム-

総監督は

旧作「ベルサイユのばら」の総監督は第13話までは「超電磁ロボ・コンバトラーV」「超電磁マシーン・ボルテスV」「闘将ダイモス」等のロボットアニメで有名な故長浜忠夫氏でした。

長浜忠夫氏は日大芸術学部演劇学科出身でいくつかの劇団で演技を学びました。人形劇団ひとみ座演出部に所属していた時にはNHKの大人気人形劇「ひょっこりひょうたん島」やTBSの人形劇「伊賀の影丸」の演出を担当しました。

劇団ひとみ座の同期であり人形劇「伊賀の影丸」の製作者であった藤岡豊氏が先述したアニメ製作会社東京ムービーを設立したことにより長浜氏もアニメ演出家としてアニメ作品に関わることとなります。

東京ムービー初期の作品としての「巨人の星」の演出を途中(全182話中の第86話)から担当し、アニメ「巨人の星」を大ヒットに導きます。東京ムービーのアニメ作品の演出を担当後、東京ムービーのアニメ製作会社を退社し、アニメ業界を離れるも1年後には「勇者ライディーン」で復帰し(ちなみに当初、総監督であった富野喜幸(現富野由悠季)氏の後任として)、「超電磁ロボ・コンバトラーV」「超電磁マシーン・ボルテスV」「闘将ダイモス」で監督を務め「長浜ロマンロボシリーズ」として人気を博し、ロボットものアニメでも大成功を収めます。「闘将ダイモス」後、「未来ロボ・ダルタニアス」の総監督を担当していましたが、同時期に東京ムービーが「ベルサイユのばら」を製作することに伴い「ダルタニアス」を途中降板し、古巣の東京ムービーに復帰し「ベルサイユのばら」の総監督に就任することとなりました。

コンバトラーV表紙
コンバトラーVは安彦良和氏のキャラクターデザイン

途中降板後の総監督は

演劇科出身の長浜氏は自らの脚本、演出作品に並々ならぬこだわりがあり、周囲のスタッフ等と演出の見解の違いで衝突することも珍しくなかったそうです。「ベルサイユのばら」の製作時にはオスカルの声優であった田島令子氏への厳しい演技指導を田島氏が耐えられなくなり、田島氏の所属事務所を通じてオスカル役の途中降板を示唆したところ、東京ムービー側は長浜氏を更迭することによって田島氏の途中降板を引き留め、長浜氏は作品途中での総監督降板となってしまいました。

長浜氏の途中降板に伴って、新たに総監督を担当したのが「あしたのジョー」「エースをねらえ」等の監督、演出として活躍していた故出﨑統氏でした。

出﨑統氏は昭和45(1970)年26歳の時に「あしたのジョー」で初監督をしたことを皮切りに「エースをねらえ」「ガンバの冒険」「家なき子」「宝島」「ベルサイユのばら」「あしたのジョー2」と1970〜1980年代に数多くの人気作の監督・演出を手かげます。

「出﨑演出」と言われる表現手法は大変独創的で、特に有名な止め絵のカットは一見しただけで出﨑作品であると判断出来る程特徴的な演出です。また、入射光・透過光、画面分割や繰り返しショットの演出も大変有名です。

「ベルサイユのばら」では監督交代前の過剰演出気味の長浜演出とは対照的な詩的で繊細な出﨑演出が作品にマッチし、多くのファンの支持を受けることとなりました。

アニメック5号表紙
「宝島」止め絵のアニメック5号表紙

オスカルの声優は

長浜氏総監督交代の要因となったと言われる旧作でのオスカル役声優さんは田島令子氏でしたが、新作でも再びオスカルを演じるのでしょうか?もしくは違う声優さんが担当するのでしょうか?これからの発表が楽しみですね。

ちなみに田島令子氏はアニメファンの間では松本零士先生の作品のクィーン・エメラルダス役でも有名ですが、元々は日大芸術学部演劇学科出身(長浜氏の後輩!)であり、女優として大変多くの作品に出演しています。

誕生50周年記念ベルサイユのばら展 ベルばらは永遠に 開催 

来週の9月17日の土曜日からは東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)にて誕生50周年記念ベルサイユのばら展が開催されます。

会場では原作者である池田理代子先生の連載当時の原稿が展示されるとともに原作と宝塚歌劇、アニメーションとの違い等を紹介しながら、それぞれの持つ魅力に迫るそうです。

東京会場は11月20日まで開催し、11月30日からは会場を大阪へ変え阪急うめだ本店9階阪急うめだギャラリーで開催されます。

新作劇場アニメの公開前に是非とも足を運びたい展示会ですね!

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