40数年ぶりに「明るいイデオン」( 1982年6月27日放送)を視聴しました。

「明るいイデオン」パロディ画像 雑記

富野喜幸(現由悠季)監督が「機動戦士ガンダム」テレビシリーズ終了直後に総監督となった「伝説巨人イデオン」がTV放送されたのは、1980年5月から1981年1月のことでした。

「伝説巨人イデオン」は「機動戦士ガンダム」と双璧に称される富野監督の代表作ですが、コアな多くのファンを獲得するものの、マニア以外のファンも獲得した「機動戦士ガンダム」程の大ヒットとはなりませんでした。

そして、「伝説巨人イデオン」も「機動戦士ガンダム」と同じくテレビシリーズの放映が打ち切りとなり、全43話の予定が39話で終了するため、最終回で突然ストーリーが終了するという伝説的な最終回として有名となりました。

テレビシリーズが打ち切られた制作スタッフ達は当初予定していた残り4話分の結末を何らかの形で発表することに尽力し、「機動戦士ガンダム」から続く富野人気やファンの後押しもあり、ついには劇場版の制作をすることが出来るようになったのでした。

劇場版は当初は『機動戦士ガンダム』劇場版と同様に複数に分けての公開も考えられていましたが、第1作目での興行不振により最終作まで制作できない事態になる恐れ(「機動戦士ガンダム」劇場版も第1作目公開前はⅡ、Ⅲと制作出来るか富野監督は心配していたそうです)を考慮し、テレビシリーズの総集編『THE IDEON 接触篇』と、完全版の最終話としての新作映画『THE IDEON 発動篇』が併映の形で同時公開されることとなりました。

(テレビシリーズの終了後1年半程経った)1982年7月10日の『THE IDEON 接触篇』『THE IDEON 発動篇』同時公開に伴い、配給会社の松竹を中心として「機動戦士ガンダム劇場版」と同様に各種イベントが実施されることとなりましたが、「伝説巨人イデオン劇場版」は当時のアニメファンの間では「伝説巨人イデオン」のストーリーが暗いという声を受け、逆張りした「明るいイデオン」として映画のキャンペーンがされました。

Youtubeにアップされた、当時テレビ放映された「明るいイデオン」を今回40数年ぶりに視聴したので紹介いたします。

「明るいイデオン」特番オープニング画像

前述の通り「伝説巨人イデオン」のシリアスなストーリーに反して、徹底的に『明るい』イデオンのイベントは後日、元アニメック編集長の故小牧雅伸氏は、このイベントを「今考えても無理のある企画」(『アニメックの頃… 編集長(ま)奮闘記』)と振り返っている通り、40年前のイベントとは言え、だいぶぶっ飛んだイベントとなっています。

「明るいイデオン」特番冒頭画像

番組冒頭は6月13日に新宿松竹にて行われた音の入っていない未編集フィルムであるラッシュフィルム試写会模様を今では懐かしい故小森のおばちゃまがレポートをしてくれます。小森のおばちゃまは有名な映画評論家とは言え、マニアックなアニメ「伝説巨人イデオン」を本当に知っていたかは不明ですね(笑)

小森おばちゃまにインタビューされた方々や画面に映る試写会に並ぶ多くのファンも今ではいいおじさん、おばさんになっているでしょうね。

ラッシュフィルム試写会模様画像

ギレン総帥の声優で有名な銀河万丈氏が改名する数ヶ月前の旧芸名である田中崇氏と小森のおばちゃまがMCとなって、まずは田中氏のナレーションによるイデオンのストーリー説明後、壇上にいるファンへ小森のおばちゃまがいくつか質問をするのですが、質問をされるファンのひとりであった若かりし頃の岡田氏へ「あなたよく知ってますね」というコメントをしているところも注目です。

インタビュー画像

番組進行中、ここまでは一般的な特集番組だったのですが、「伝説巨人受け手送り手接触キャンペーン」の紹介のあたりから「明るいイデオン」の様相となってきます。

「伝説巨人受け手送り手接触キャンペーン」応募作品の選考シーンではまだ髪の毛のボリュームのある富野監督や若かりし頃の鈴木敏夫氏など当時のアニメ雑誌の編集長の姿も映されます。

応募されたパロディ絵コンテを日本サンライズスタッフが制作した各作品が紹介されるのですが、受賞した各パロディ作品を見ていると、当時の雑誌「OUT」や「ふぁんロード」などで発表されていたファンの作るパロディを思い出し、アニメファンはマイナリティでありましたが、楽しかった当時の雰囲気を思い出しました。

アジバ3画像
名作!?「アジバ3」

パロディイラストやパロディマンガ、(ナウい!)ファッションデザインなど、各アニメ雑誌が選んだ受賞作品も発表され、作り手とファンが一体化しているキャンペーンだということが紹介されました。

1982当時の「OUT」表紙画像
当時アニパロで人気だった「OUT」

番組中盤からは6月13日、新宿のディスコで開催された「ディスコイデオン」の紹介がされます。「ディスコイデオン」では「イデオン姫」入選者、「イデオン音頭」の入選作が発表されるという当時のディスコでは考えられないような進行が行われたのでした。

そして、実写作品の紹介では伝説となった「双子の悪魔」を見ることが出来ます。この作品、やっぱりカオスです...(Youtube 38分前後からです)

双子の悪魔画像

番組の最後では「伝説巨人イデオン劇場版」本編フィルムの紹介がされるのですが、公開前だというのに思いっきりラストシーンの映像が紹介され、今で言うネタバレとなっています(笑)

ラストシーン画像

40数年ぶりに見ても「伝説巨人イデオン」が観たくなる素晴らしい宣伝番組ですね。

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