小説 銀河鉄道999 ANOTHER STORYアルティメットジャーニー

おっさんホイホイ

著者

原案 松本零士 小説 和智正喜

出版社 発行日

秋田書店 2021年9月17日発行

解説

松本零士先生の原作「銀河鉄道999」の続編が1996年からエターナル編として雑誌「ビッグゴールド」にて連載開始されましたが、掲載誌である「ビッグゴールド」が休刊されてしまったため、最終的にはwebでの連載に移行したのですが、web移行後、間もなく連載が休止となってしまいました。

漫画原作、劇場アニメ(1998年にエターナル編として公開)、共にストーリーとしてはこれから!というところで中断されており、その後の物語の展開は多くの銀河鉄道999ファンにとっては長年、連載再開が待ち焦がれていがものとなっていました。

そんな折、2012年に小説家であり脚本家でもある和智正喜氏が松本零士先生から見聞きしたプロット、構想を基にして同人誌として発表したのが「GALAXY EXPRESS 999 ANOTHER STORY ULTIMATE JOURNEY」です。この作品は発表当時、原作者の松本零士先生からもご本人の構想に近いものだとお墨付きを得て、エターナル編の完結編と見なされていました。

松本零士先生からの肯定的意見があること、銀河鉄道999ファンの読後のレビューも大変良かったことより、まだ未読の多くの銀河鉄道999ファンが「GALAXY EXPRESS 999 ANOTHER STORY ULTIMATE JOURNEY」を入手しようとしたものの、2012年に上巻、2013年に下巻がグライドメディア社から発行された「GALAXY EXPRESS 999 ANOTHER STORY ULTIMATE JOURNEY」は早々に絶版となり、Amazon等にてプレミア価格が付き大変入手困難な商品となってしまいました。

そのような経緯を経て「GALAXY EXPRESS 999 ANOTHER STORY ULTIMATE JOURNEY」の発行から約9年後、秋田書店から、復刻として、今回紹介する「GALAXY EXPRESS 999 ANOTHER STORY アルティメット ジャーニー」が発行されることになりました。

しかし、加筆・改訂・完全版ということで発行された「GALAXY EXPRESS 999 ANOTHER STORY アルティメット ジャーニー」は以前、復刻前の小説を読み、当時高評価をしていたファンから大ブーイングを受けることとなります。

この小説は「銀河鉄道999」ですから元々の999のキャラクターの鉄郎、メーテル、車掌さん達999メインキャラクターを軸に物語が展開するのですが、今までも999に登場していたハーロック、エメラルダスをはじめ、今回は超時空戦艦まほろばを旗艦とした大銀河連合には、ハーロックの敵であったマゾーンも共闘するなど松本零士先生の多くの作品のキャラクター、メカニックが登場し、松本零士ワールド全開の小説作品(TVアニメのダンガードA, スタージンガー、そしてワダチまで!共闘しています)でした。しかし、今回の改訂版には復刻前に登場していた宇宙戦艦ヤマト関係の執筆部分が全て削除されていたため復刻前の既読のファンから大顰蹙を受けたのです。

感想

消滅してしまった太陽系、鉄郎とメーテルの二人の結末などはネタバレになるのでここには書きませんが、物語の結末については復刻前と変更が無いため、エターナル編の結末については知ることが出来ました。(ダークィーンとの決戦の結末は「?」となる展開で個人的には少々物足りなさを感じましたが…)

また、アニメでしたら松本零士先生のどのキャラクターが登場しているか一目瞭然なのですが、小説ではキャラクターが作中に登場した際、そのキャラクターについての容姿、特徴などが書かれるので、そのパートを読むのがちょっと面倒くさいところがありました。(ただ登場するだけのキャラクターも多数いました笑)

下巻になると黒騎士ファウストやミャウダーまで登場するので、納得出来ないファンも多いかもしれませんが、これも松本零士男のロマンと思い我慢して読みましょう。

復刻前のグライドメディア社版

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